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縦書 綴瑠物語〜ひとしずく~

分かつことのできない世界を、僕らは生きている。

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「 微睡み 」

まどろむ 波間に 

静かな寝息だけが ここまで伝わって

 

微笑む おぼろ月 優しげに

淡く揺れていた

 

夢間のキミの 微笑み

抱かれて 誘われ

火照るこころ 揺れていた

 

ひかり彩る 流れる風に

髪は撫でられ 漂って

キミの香り 揺れていた 

 

囚われて わたし

醒めないで キミ

このままで 眠りについて

 

まどろむ 波間に 

静かな寝息だけが  淡く揺れて 

満ちて時は  眠りにつく

 

こくり  こくり

ゆらり  ゆらり

 

 

 

 

「 rainy song 」

しとしと しとしとと 

雨したたる

 

通りし車鳴く シャーシャーと

憂鬱の空は薄灰の 曇天の彼方の薄日影

 

窓のそば 風と躍る 陽よけ布

ひらひら ゆらゆら ひらひらと

外界の香りを運びくる

 

しとしと しとしと しとしとと

潤い増す世界の片隅で

こぼれた涙は溶けてった

 

したたる水も ぽとぽとと

ぽとぽと ぱちりと 溶けてって

 

天から射したる ポカポカの

袂へと飛んで往く

 

ひらひら ふわふわ さらさらと 

捉えられぬとも飛んでいる

 

幾重ものしとしとが 

天(あま)のもとへと 飛んでかろう

 

日差しに雨差し巡り往く

生きてこそ 生きてこそ

 

 

 

 

 

 

「 オシロイバナ 」

「逢いたい」と 頭の中で叫んでも

揺れない空気 揺れる心

君の耳には届かなくて

 

頬つたう彼ら

地上に堕ちて

消えてゆく流れ星
 

独り立ちして 膨らむ想いだけが

星屑の夜空を泳ぐけど

君の空には行けなくて

 

おとぎ話だと諭すよう

現実が耳元で囁いて

内側で灯った光を 儚く 弱くしてしまう

あの星も この光も

明るさも 暗さも

すべては私の 夜空のなかで

 

花となって  咲き誇る

踏み出す季節を待っている

 

 

 

 

《 照らす灯台 》  

さよならと言った言葉の宛先は

いつかのわたしで

 

もう2度と会わないだろう

なんていう思いは

断崖にそびえ立つ灯台のようで

 

今もわたしに息づくことを

忘れてしまう

 

海上に浮かぶ

黒船ばかりを照らし出し

波止場へと導いてゆく

 

傍らの花の微笑み 花の香り

ささやかな幸せ

キミを見守る瞳とこころ

 

忘れる灯台 忘れぬ人よ

人の手によって照らされた

遙か彼方の灯台の記憶

 

迷わぬよう

無事を祈る灯り

 

その時 その刻の

かけがえないものを照らしてゆこう

わたしの袂へ

 

かけがえないわたしへと

あなたへと

 

 

「流星のなみだ」  

秋過ぎて 少し明るい

満月の冬

 

君は吐息のように

悴む手を そっとあたため

白く儚く 夜空に溶けていった

 

満月と

いつもより儚く光る星を見上げた

僕の頬に 一筋の煌めく流れ星

 

キミのぬくもりが遠くて

辛い寒さが押し寄せる

 

もうすぐ冬が来る

ぬくもりを分け合う季節

 

寄り添う身体は

互いのぬくもりで1つになって

そこに愛が生まれる

 

そんな瞬間を

この季節の空は何度も

見守ってきた

それでも失ったものがいる

涙は幾度となく

君想う流星のなみだ

優しいなみだ

夜星は願いをカタチにして

僕の哀しみをそっと撫でて

流れていった

 

 

《 むすんで ひらいて 》  

むすんで ひらいて 手を合わせ

むすんで ひらいて 目を閉じて

 

むすんで ひらいて 絡まて

むすんで ひらいて ほどけてく

 

むすんで ひらいて 握りしめ

むすんで ひらいて 抱きしめて

 

むすんで ひらいて 1つになって

むすんで ひらいて とけてゆく

 

人の縁 赤い糸

見えない糸 大切な糸

めぐりむすび ほどきむすぶ

 

縛らぬように 壊れぬように

優しく包む 優しく紡ぐ

 

むすんで ひらいて わたしになって

むすんで ひらいて あなたになって

 

むすんで ひらいて いのちを繋ぎ

むすんで ひらいて いのちを綴じる

 

むすんで ひらいて ありがとう

むすんで ひらいて さよならを

 

むすんで ひらいて 繰り返し

むすんで ひらいて 生きてゆく

 

触れて 離れて 世界は廻る

 

むすんで ひらいて またいつか

むすんで ひらいて ありがとう

 

 

 

 

《 わたしのいのち、それは輪廻 》

耳を当てる こころへと

祈りの声 祈りの唄

誰の声 誰の唄
 

古(いにしえ)からのこの声 この唄

脈々とつながれてきたこの声 この唄

 

願いは 祈りになり

私もいつか 祈りとなる

 

つないでゆく 時と共に

つないでゆく 想いと共に

決してきっと 一人にさせない

 

ここにいる いつもいる

あなたと共に あなたの傍に

 

こころの声

誰のこころ 誰の願い 誰の祈り

脈々と繋がれてきた 輪廻

ここにある 命

 

繋がれた命 繋いでくれた命

私という「いのち」 

あなたという「いのち」
 

時を紡いで 出逢えた「いのち」

 

 

《 廻る私の太陽と月 》

太陽がこの胸にないなら

きっと今 月があなたの胸にある

 

「周期」 それは廻る

幸も不幸も 太陽と月と同じように

あなたの中に廻っている

 

だからね 嬉しい時は喜んで

悲しい時はゆっくりと

新しい太陽を待つ

 

光はいつも廻ってくる

だから私は太陽と月と

共に自由に生きてゆく